これからの予備校
プロファイル・データ以外に、分析・設計中のモデル図式、モデル仕様、クラス仕様、設計仕様、プロトタイプ、プログラム自身、コンポーネント部品、開発ツール、プロジェクト計画、作業ワークフローなども格納しており、これらの情報やツールを格納・アクセス・管理・更新・使用するメソッド、さらには分散した異質のリポジトリ間の相互運用や、分散した開発チームおよびそのプロジェクト管理を支援する多様なサービスやツールを持つ。
したがって、情報管理用のDBMSを内蔵した完全なデータベース・アプリケーションであり、しかもオブジェクト指向アプリケーションである。
これらの機能のうちの基本的なサービスを「リポジトリ・サービス」と呼び、その中にはたとえば次のようなサービスがある。
・メタデータ・サービス:オブジェクト・モデリングに必要な概念(メタデータ)の定義と格納ツール・モデルの追加やリポジトリ自身の機能拡張を支援する・ユーザとセッション管理:ユーザや各種ツールとリポジトリとのセッションを管理して、リポジトリの運用を支援する・名前サービス:複数の開発チームが固有の名前でリポジトリ内のオブジェクトを扱えるようにする・版サービス:リポジトリ・オブジェクトの変更管理を行う同じオブジェクトの複数の版の利用を可能にする・ツール統合サービス:マルチベンダーの複数のツールをリポジトリに組み込み、これらのツール群がリポジトリ・オブジェクトを利用できるようにするとともに、ツール間のデータ交換を支援する。
ツールの統合レベルには、ツールをリポジトリ機能として埋め込む形から、データの移入・移出による疎な統合まで複数のレベルがある。
多様な既製コンポーネントや再利用可能Lなどを複数の部門で共有して活用し、これらを保守するためには、上記のような統合されたリポジトリ環境が必須であろう。
リポジトリ製品の選択に当たっては、マルチベンダーでの多様なツールが活用でき、標準に基づくリポジトリ・モデルとサービスを当初から設計に組み込んでいる。
製品を選ぶべきである。
しかもオブジェクト指向技術をベースにした先進的な製品がよい現在、市場に出ている。
リポジトリ製品の大半は、特定のベンダーの専用技術に基づいたものである。
システム構築用のツールを自由に統合するには、これらのツールがデータ交換標準(たとえばCDIF)に準拠している。
情報システムの構造と部品化構造の変化(1)情報システムの構造改革を促進する統合業務パッケージ1998年の現時点ではまだ十分でないが、前節で述べた国際標準に沿って統合業務パッケージの構造改革が進んでいる。
これは情報技術の発達の赴くところであり、この流れを止めることはできない。
数年のうちに国際標準の条件をクリアする質の良いパッケージが市場の大勢を占めるであろう。
質の良い統合業務パッケージを導入すると、必然的に新しい情報技術がユーザ企業に持ち込まれる。
その結果として企業の持つ情報システム全体(以下「企業情報システム」)に影響が及び、構造改革が進むであろう。
企業情報システムの構造改革の方向を理解し、現時点の技術で達成可能な理想像を持つことが重要である。
ここでは一般的な理想像について説明する。
理想像は企業ごとに異なるであろうし、情勢が変化すれば変化するであろう。
以下の説明が企業固有の情報システム構想を描く参考になれば幸いである。
基幹系の構造改革:部品化と分散化統合業務パッケージは企業の基幹業務用のアプリケーション・ソフトウェアの集まりである。
この部分の構造が変わると、周囲の構造も変化せざるを得ない。
最大の変化は部品イヒと分散化である。
この2つを切り離して論じることはできない。
適切に部品化することによって分散が可能になる。
また、分散処理の技術によって高度な部品化が可能になる。
従来の業務手続き指向の固いアプリケーション・ソフトウェアは解消し、部品を利用して臨機応変に業務手続きを組み立てる仕組みが出来上がる。
そのイメージは次のとおりである。
分散と共通化10年近く前のことであるが、ある大手流通業の情報システム部門は新しい発想の情報システム構想を描いた。
この流通業のビジネスにおいて、アプリケーションは営業マン個人ごとに異なっている。
むしろ、個人でも顧客ごとに異なっていると考えるほうがよい。
従来はこの部分を無理して1つのアプリケーションにまとめたためにプログラムが巨大かつ複雑になってしまった。
いまではその変更や拡張に大変な人手と期間が掛かり、悪評紛々である。
原点に戻って、個人ごとに必要なアプリケーションをパソコンに搭載して分散処理したい。
しかし、業務のある部分は部門共通である。
アプリケーションも部門共通のものを利用しなければならない。
したがって、個人アプリケーションの中で部門共通アプリケーションを呼び出し、共通処理を行わせるさらに全社共通の業務も存在する。
そのとき、個人アプリケーションおよび部門アプリケーションの中から全社アプリケーションを呼び出して全社共通処理を行わせるとよい。
このように、個別に異なる事項と、共通の事項を階層に分けて、必要なとき共通アプリケーションを利用する仕組みをつくることをこの流通業は目指した。
そうすれば、個人にとって自分のアプリケーションを自由に構築でき、しかも無理なく部門や全社の規則に従って業務を遂行できる。
これなら、情報システムの変更も容易である。
課題が全社あるいは部門に共通であれば、共通アプリケーションを直すだけで関係するすべての営業マンに徹底できる。
また、個人に関わる部分を変更しても共通部分には影響がない。
この企業のビジネスは人に依存する面が多い。
したがって、アプリケーションの中心は個人である。
個人が働きやすいように部門が支援する。
さらに部門が働きやすいように会社が支援する。
共通アプリケーションは人を支配するためではなく、ロジスティクスのために構築される。
部品化と分散残念ながら前記の構想は実現できなかった原因は部品化の技術が当時は十分でなかったことである。
ソフトウェアを単に分割しても、部品化できたことにはならない。
部品間のつながりが密接であると、ある部品を変更すると、ほかの部品や最終のアプリケーションまで関連して直さなければならない事態が頻発する。
部品の共通化共同利用が進むと、その関係は一段と複雑になり、「大盛りのスパゲッティ」のように絡み合ってしまう。
オブジェクト指向技術はこの問題を解決する鍵となる。
この技術では情報対象(オブジェクト)を表すデータと、そのデータを取り扱ういくつかの処理機能(メソッドと呼ぶ)を一体化し、1つの「カプセル」にまとめる。
この方法はデータ処理機能の整理術として有効である。
部品は情報対象に対応し、それ以上に複雑にはならない部品間の関係も、情報対象間の関係を素朴に反映するだけで、それほど複雑ではない。
しかし、オブジェクト指向技術にも限界がある。
ある部品が異なるコンピュータ上にある部品を呼び出すと、データ通信に時間が掛かり、実用的でなくなることがある。
先ほど述べたとおり、オブジェクト指向をサポートする通信技術としてCORBAが提唱されている。
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